kosuke

はじまりへの旅のkosukeのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
5.0
何度も観たい最高の映画
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(昔友達に送った感想)

「僕たち家族はおかしい。」
長男が放った台詞が印象的だった。

たしかに自給自足でヒッピーのように暮らし、ナイキを知らないティーンエイジャーは、一般的には"おかしい"かもしれない。従兄弟家族と対比や祖父からの強烈な風当たりの強さを通して映し出された周囲との差は、紛れもない事実なのであろう。
ただそれは、どんなものさしで測って"おかしい"と判断しているのだろうか。実はおかしいと思っていることがおかしいんじゃないだろうか。僕たちはものさし自体を疑っているだろうか。
ヒッピーというカウンターカルチャーを通して描いたこの作品から、「それって本当に正しいことなの?」と問いかけられた気分だった。

Power to the people, stick it to the man
長男が空港で末っ子に対して発せられたこの言葉。
父の教育に従うのみならず大学を受験し、結局大学に進学することなくナミビアへ旅立つことを自ら決意した青年は、既成概念に縛られることなく、「何が大切か」考える力を養った。
このシーンからやはり両親の教育は間違ってなかったのだ。と感じさせてくれた。学ぶことは、学校に行くことではないのだ。

また、最後の俗世的な生活シーンから、父自身の考え方の変化も感じさせてくれる。正しいことのみならず、世の中へ適合することも子供達にとって大切だと、考えを改めたのだろうか。(このシーン、理解しきれなかった。。)

ヒトの暮らし、教育に対する考え方、子供にとっての幸せ、これらのテーマは登場人物によって考え方が異なるが、正しさは常に一定ではないと思った。それらは立場や信条によって変化する。
それらの多様性を認め、尊重していくことが自由な社会には必要なのかなと思った。
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