「普通ってなんですか?」
森で原始のような生活を送る家族が亡き母の願いを叶えるため、ミッション!ママを救え!"社会"に旅立つロードムービー。
森で大きな鹿を射止めた長男に「これでお前も男だ!」なんて言っちゃう生活。夜は火を囲んで本を読み、みんなで歌い踊る。"訓練"中に怪我をしても「自力で這い上がれ!誰も助けてはくれない。自分で考えなさい。」と教える父。
体力はアスリート並み、6ヶ国語を操り、一番上のお兄ちゃんは名門大学に全て合格。博学、有能で優しく素直な子供たち。
でも…
ナイキを知らない。いや、知っているけれど…彼らにとってナイキはスニーカーではなく、あくまでもギリシャ神話の勝利の女神、ニケでしかない。ホットドッグは食べたことがない、パンケーキ?コーラって何?毒なの?
お父さんはただ一心に子供たちの自立、幸せだけを願っている。でもそれが自分のエゴになり得ること、社会とはズレていることに気がつかない。学校に通うのは勉強のためだけではない?なぜ?どうして?それが普通?普通ってなんですか?静かで純粋な父性の暴走。
この映画でチョムスキーを知りましたが、お父さんの言葉もそれはそれは大切で、突き刺さるものが多いです。名言満載。
DVDジャケットにおふざけ感があり、面白そう!と借りましたが、考えさせられる作品です。お母さん(妻)へ贈る、お父さんの最後の言葉がとっても素敵で、感動します。
あたたかい雰囲気、音楽もよく、素直な子供たちが愛らしい。笑って泣ける素晴らしい映画。見終わった後にキャッチコピー「普通ってなんですか?」が生きてきます。
みなさんも※キャプテンと子供たちとはじまりと普通を探す旅に出てみては?ぜひ!
※原題「キャプテン ファンタスティック」