レク

悪魔の存在を証明した男のレクのレビュー・感想・評価

悪魔の存在を証明した男(2014年製作の映画)
3.0
不慮の事故で妻のサマンサを失ったマイケル。
無神論者が故に占い好きだった妻が通い詰めていた霊能力者を尋ね、やり場のない怒りをぶつける。
そして霊的な存在を否定すべく、自分を実験台にして交霊術や黒魔術を行う決意をする。

とまあ、タイトル通りで既視感のあるモキュメンタリー映画でしたが、内容は物悲しくもありツッコミどころや不完全燃焼感は否めないがプロットとしては好き。
視覚的にもそれなりに楽しめますし、本題も様々な解釈が出来そう。

ネタバレになるので、作品内容には触れませんが、かく言う自分も無神論者の一人であるが故に、この主人公のように悪魔という存在への好奇心やアプローチしたくなる気持ちもわからなくもない。
ただ、悪魔のような不可視な存在を証明することは難しい。


以下、余談。

悪魔の証明。
その言葉は実際に使用されることもあります。
権利の存在を推定する規定、いわゆる「法律上の権利推定」で権利の所有権証明の困難性を比喩的に表現した言葉。
議論では積極的可能性を論じる方、つまり"ある"と主張する側がその証明責任を負うのが一般的だというもの。

今作では悪魔の存在を否定するために降霊術を行うという流れですが、本来は否定する側は証明する必要がないんですよ。
目の前にないのだから"存在しない"でいいんです。

逆に掴みどころがない、存在が確認されないものについての存在証明をするということはそこに"存在している"ということを実証することが必須なんです。
レク

レク