あ

山の音のあのレビュー・感想・評価

山の音(1954年製作の映画)
3.8
同名原作小説は未読なのでいずれ読みたい。

内容は結構エグいホームドラマなんだけど、役者の淡々とした佇まいと抑制された描写で一定の品を保っているのが面白い。もっとドロドロにしようと思えばできちゃうんだけど敢えてしない。露悪に走らない節度と気品が好もしい。

山村聡の、昔の映画独特の間延びした関東弁のイントネーションがすごく好き。この声だけで2.5ポイントくらいは加算ついちゃう。大学時代の教授思い出しちゃうんだ。

原節子の美しい、ほんの少し外斜視のような、捉えどころのない瞳がそのままラストにおける菊子の人知れない決心を象徴するようで印象的。
あ