山の音の作品情報・感想・評価

「山の音」に投稿された感想・評価

がく

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3.9
想像してたより、5兆倍重い話でした。原節子をそんなに追い詰めないで…。似ているところがあるので、小津作品と比べてしまうけど、いやこの時代の日本映画では類を見ないバッドエンド…。
川端康成の小説の映画化だがタイトルの「山の音」は聞こえてこない

上原謙より1歳年下らしい山村總が父親役をしていることに驚くが、人生に投げやりで不倫を繰り返す息子に苦しめられる嫁との、思いやり以上恋愛未満の微妙な関係をとても上品に演じていて素晴らしい

もちろん、家族想いでやさしく健気だが実は芯の強いところもある嫁を演じる原節子が可愛すぎるのは言うまでもない

居宅の玄関まわりの狭い道のショットが気候や時間帯が異にして何度も繰り返し出てくるが
最後には並木道の終点からとてもオープンな風景が開け重い物語の未来に少しの希望を添えて終わるところがいい

それにしても何気なく交わされる夫婦の会話だけで心がとてもざわついてしまうが、これは監督のせい?あるいは原作、脚本家のなせる技なのか…
tttotitom

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3.0
小津安二郎さんの映画以外に出ている原節子さんを初めて観たのですが、いろんな表情が見られて新鮮。

亭主とうまく行かなくて実家に出戻ることのハードルがかなり高かったり、結婚したら家事や家の仕事に徹していたり。
今の時代よりも縛られるものが多い中での心の揺れ動きが楽しめました。

年末の忙しさが過ぎてぽけーっとしたお正月にちょうど良かったです。
kandais

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3.4
2019/1/4 これを理解するのにはあと10年の歳月は必要でした。
マグロ

マグロの感想・評価

5.0
この時代には「貞操」という言葉がある。どんなに気持ちがあっても、決して踏み越えてはならない線引きがある。そのことを痛いくらいにわかっている人たちだからこそ、動物性と人間性との間で揺れ、悩むのだ。なんでもかんでも言ってしまえばの今とはなんというか格が違う。
でも、
結局、最後は男がバカ。
shibamike

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3.5

このレビューはネタバレを含みます

尾形家では親夫婦と息子夫婦(子無し)の二世帯でひとつ屋根の下、生活している。

一家の長 信吾(山村聡)が序盤、頭を胴体から切り離して頭を医者に修繕させている間、胴体を休めたいと空想したり、"緒ずれ"のイントネーションにこだわったり、いびきをかいている妻 保子(長岡輝子)の鼻を摘まんでみたり、そして原ちゃんの猫の鳴き真似「ミャ~🐱」が聴けたりと、微笑ましいユーモアが多々見られ、ほのぼの系映画かと思っていたら、全然ほのぼの系ではなく、ものものしい系の映画だった。

息子夫婦の夫 修一(上原謙)は不倫していて、怪しからん成人男性なのであるが、尾形家のみんなその不倫のことに気付いていながら、誰も批判をしない。しないというかできない?
気の良さ気な信吾は息子の修一にビシッと「不倫アカン!」と言ったり、ブン殴ったりすれば良さそうなのに、日和見主義なのか強く言わない。

息子夫婦の妻 菊子(原節子)はいつも笑顔で家の細々したことをきっちりこなす良妻。でも夫 修一の不倫を悩んでいて、彼女はその不安を周囲に相談できず、1人でどんどん思い詰めてしまう。
びっくりして呆気に取られたのが、終盤菊子は修一の子どもを身籠るのであるが、不倫する修一への抗議として、中絶する。菊子が一番ヤヴァイ奴だったのかと思った。

信吾は息子の嫁 菊子に明らかに好意を持っている。怪しからんよ!でも、好意を持つ理由が、若い頃に好きだった女性に菊子が似ているからという男なら誰でも切なくなる理由。うーん、無罪!

結構登場する会社の秘書が非常に常時無機質レディで、「あの…何か怒ってる?」とこっちが心配になった。修一の不倫相手も修一の子どもを身籠るし、もうみんな行くところまで行くしかない。

Wikipediaで原作のあらすじ読んだら、登場人物みんなに複雑な背景があり、映画ではだいぶ省略されている模様。

柴三毛心の一句
「義父と嫁 新宿御苑 ビスタかな」
(季語:義父→枯れている→冬)
旦那の実家に嫁(原節子)が住んでいるのだが、旦那は冷たい、外で愛人を作って子供をこしらえ蹴る殴るをしている、ということで見てるこちらがハラハラするんだけど、最後まで我慢に我慢を重ねる嫁の辛苦、これを見届けることが修行であり、そのヒリヒリ感を感じられるところがいいと思うのだけど、最後まで嫌悪感を拭えないという人も相当いるはず。これがもう少し後の映画として出ていたなら、明確な復讐に出ていたかもしれない、くらい理不尽だしね。昔の嫁入りというのは、辛い思いをした人も現実に多いという印象もあるし。川端康成作品は数冊しか読んだことないけど、こういうかっこつけたワル男みたいのが多い気がするね。
Polaroid

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3.4
原作未読。だが川端のエロさは知っている。お義父さんと美しすぎる原節子の間で何か起こりそうで何も起こらない。え、これで終わりなの?という感じ。
nickname

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3.5
永遠の処女と言われる原節子は成瀬巳喜男になんか似合わない。しっくりこない。
そして、家族の話もなんかしっくりこない。

初めて観た成瀬巳喜男作品が「乱れる」だったからなのかもあって、毒々しい作品を期待している自分がいるから、どうも小津安二郎みたいな成瀬巳喜男作品は観ててつまらなかった。

でも原節子の完璧な綺麗さとたまに見える孤独さはスクリーンに華を持たせて、「映画」を観ているなあという喜びが大きかった。
〈早稲田松竹クラシックスvol.141 成瀬巳喜男監督特集〉18:10開映(20:00開映『女が階段を上る時』併鑑)
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