ホリグチ

あえかなる部屋 内藤礼と、光たちのホリグチのレビュー・感想・評価

3.5
2016年1月をもって閉館した鎌倉の神奈川近代美術館。平家池を見渡すテラス、天井を彩る反射光も美しく、静けさとともにここが観光地であることを忘れさせてくれる。そんな平家池には、気づかれないほどささやかな、風に揺れる一筋の糸のようなものが展示されていた。内藤礼の作品だ。
美術作品とは、他者に見てもらいたい欲求の自己表現だと思っていたが、内藤礼の作品はそうしたものから切り離されて存在しているかのようでとても興味を持った。
前置きが長くなってしまったが、このドキュメンタリーの中で、監督も出演者もまたは観ている自分自身も、「母型」につつまれ同化してゆく。ささくれだった心を浄化してくれるような巡礼の旅。観終わったあとにゆっくりと散歩してみたくなる。
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