ぽっち

ネオン・デーモンのぽっちのネタバレレビュー・内容・結末

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

全体を通してキャラクターの描きこみがあまり細かくされない。
会話も型どおりという感じでキャラクター一人ひとりに意外性がなく、
「モデル業界で整形も枕営業もいとわず切磋琢磨してきたけど年齢的に限界を感じているモデルたちの嫉妬を一身に浴びる、若さと経験不足ゆえに大胆不敵でそれがかえって眩しく輝くダイヤの原石」
みたいな型通りの設定しか読み取れない。あっそれ知ってるよ!上履きに画鋲入れるやつだよね!ってなる。

メイクのルビー(笑顔と真顔のギャップが素敵)が一人だけ型にはまらず底しれない感じを出すんだけど結局そんなに底知れなくなかった。残念

力の入ったイメージシーンのひとつひとつは映像としては印象的でもかなり長くて、
意味深ではあるけどそもそもキャラクターの描きこみが浅いので、そこから何かを読み解くのが難しく正直なところ面倒で、かなり冗長に感じられる。

そんな感じなので、彼女たちを追い詰める狂気に差し迫ったものや切実さがほとんど感じられないままラストの展開を迎えてしまい、
ん?もしかしてこの構図を、この映像を撮りたかっただけなのでは?って疑念が爆発していたところ
ラストシーンにぼん!って出てきた
"FOR LIV(ハートの絵文字付き)"という、映画を映画として前情報とか抜きに観てる観客にとっては全く意味を知りようのない文字(あとで知ったがインスピレーションをくれた妻への謝辞らしい)が出てきて、
あ、もしかして本当に監督の撮りたいそれっぽいフェティッシュな映像に付き合わされただけだったんだな?
末永くお幸せに!さらば!
という気持ちになった

この世には可愛げのあるつまらなさと可愛げのないつまらなさがあると思ってきたけどこの映画は私にとって圧倒的後者

エル・ファニングは最高に可愛く美しかったのでそれはとてもよかったです
ぽっち

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