こうよう

ピンクとグレーのこうようのレビュー・感想・評価

ピンクとグレー(2016年製作の映画)
3.6
原作は読まずに鑑賞!
衝撃の62分までの前半パートは華やかさの中で染まっていく黒とはいえないグレーな世界観が上手く表現されていてとても引き込まれます。特に「ピンクとグレー」のタイトルが出るまでの冒頭の部分の不気味な空気感の表現が上手く、期待値がかなり高まります。

しかし、映画の視点が大きく転換する62分後のピンクがグレーに変わる後半パートからのストーリーの推進力、魅力が一気に落ち込んでいるように感じました。確かに大きく転換する展開には、驚かせられて、前半の部分における、あるドキッとする演出や前半のストーリー上の設定自体が伏線になっていたんだと気付き、ストーリーの仕掛けに関してはとても面白いなと思いますが、後半パートのテーマ的な部分、伝えたかったことを伝えきれていなかったと思います。もう少しシンプルに前半を生かすやり方で良かったのではないかと、もやもやとした気持ちかありました。

とはいっても、この作品の質を引き上げくれた「明」と「暗」を上手に使い分ける俳優の代表格である菅田将暉さを筆頭とした、主要キャストが魅せるこのストーリーのプロットの仕掛けを支えるための説得力を持たせる演技はとても見応えがあります。

人は自分のことでさえもわかっていないことがあるのに、他人の事なんて分かるはずがない。 それが心を通わせていたと思っていた親友でさえも。演じることを通して気づく、白や黒よりも演じることが難しい人のグレーな部分を理解することはもっと難しい。そう私はこの映画で解釈しました。