影山影司

ゴースト・イン・ザ・シェルの影山影司のレビュー・感想・評価

2.5
攻殻機動隊の熱心なファンというワケではないのでズレた感想かもしれない。

原作(アニメ、マンガ)の主人公草薙素子はどちらも正確に差はあれど「全身義体化済みで、身体能力や電脳能力は当然トップクラス、さらに義体ユーザーとしての精神性も高い位置にある」という共通点はあると思っている。過去の話や異常事態で弱い部分が見えることはあるかもしれないが、実力に裏打ちされた強い精神を持って戦う女性、というイメージだ。

それに引き換え今作のスカヨハはメソメソ系主人公だ。過去も無ければボディも無いとかでメソメソしている。ついでにバトーも目玉を失ってメソメソしている。全員義体化してイケイケの九課だからこそ、改造してないトグサが生きるんじゃないですか? 今作のトグサって物語上必要?

原作で人間が義体化して精神をより高次な存在に高めたという状況の中、哲学的な答えを出しているのに対して、今作ではその手前の段階でメソメソしているのでどーにも受け入れかねる。


テーマが卑俗なものにデチューンされている以上、当然物語も原作に比べれば劣る。さらにそこから物語的な面白さを見出したいが、原作と同じ展開を辿りつつ全体的に主人公が翻弄されるだけの展開が続くので面白みがない。

映像表現に関しては最新版ブレラン、って感じなので好きな人は好きかもしれない。
それくらいしか褒めるところは無い。
影山影司

影山影司