美園バンビ

ゴースト・イン・ザ・シェルの美園バンビのレビュー・感想・評価

4.0
最初の劇場版アニメが大好きですが、思っていたよりとても良かったです。雰囲気も神山監督よりは押井監督よりかな、と思います。正直TVアニメ版と新劇場版はそこまで好きではない、というか、別物に近いと思ってます。それだけ当時の押井監督の存在感は凄かった。

実写版、特に映像は圧巻でした。役者の義体を意識した動き、CGと現実を織り混ぜて作られたサイバーパンクな世界観、町並み。とりわけあの量産機械特有の気持ち悪い動き、素晴らしかったです。しいて言えば、現実感が薄すぎた、です。あくまで近未来の設定なのだから、今とたいして変わらない雰囲気ももう少しおりまぜたほうが個人的に良かったです。
役者陣、特に不満な所は意外に無かったです。荒巻っぽくはないけど、たけしはありだと思います。スカーレットヨハンソンは良かった!
脚本は、なにしろ最初のアニメ版のインパクトが強すぎるので、どう投げてくるか興味がありましたが、普通でした。可もなく不可もなく、です。ただ、ファンからすると特別目新しい話で無いことは確か。とはいえ初の実写版で冒険し過ぎるよりは良かったと思います。

評価の判断としては、私はファンだから待望だったし面白かったけど、誰もが「凄い面白いね!」ってなるかといえば…というところ。
攻殻機動隊が好きじゃなければ、同じスカーレットヨハンソンの「Lucy」でもいいかな、ってぐらいの作品かもしれません。ちなみにLucy私は好きですが世間の評価は低いです。

アニメの実写化は難しいですね。アニメと同じ事をしたら作った意味ある?ってなるし、オリジナルな方向にはしったら、原作を冒涜してる、となる。最近の日本映画のアニメ実写化は、完全に固定原作ファン向けの金儲けになっていますし、そうではなくしっかり作ろうとしても、原作が偉大なら偉大なほど勇気がいる行為だと思います。
そんななか、今回の攻殻機動隊のハリウッド実写化は、(一般評価と興行収入は別として)大成功と言えるのではないでしょうか。