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ゴースト・イン・ザ・シェルのchagoのレビュー・感想・評価

3.2
試写会にて。2D字幕。

小学校の男の子が首をかしげながら視聴している姿に、同い年くらいのときにアニメ版ゴーストインザシェルを見た自分と重なる。圧倒的な映像と説明不足なストーリー展開、でもなんだか惹きつけられる。それがSFの魅力。

映像はゴーストインザシェルの映像化として素晴らしかった。一緒に見た人の「映像としては古臭い」というのは仕方なく、あの映像は2017年現在からの近未来ではない。不思議アジア感(エセ日本ぽさも含む)と、無機質なSF独特な建築物は1995年から見た近未来だ。

情景や提示される情報から公安9課の立ち位置が独立機動組織なのか、国配下の組織かも分からず、荒巻が「総理」という言葉を口にしていなければ日本であることもちょっと怪しむくらい、アジアのどこか?あるいはアメリカの拡大したジャパニーズタウンと言われても納得できるような雰囲気。

アニメ版の印象深いシーンがうまく繋ぎ合わさるようにストーリーは展開する。アニメ映画版だけでなく、神山版の要素も!公安9課ではなくあくまで少佐を描くため、神山版のファンとしてはちょっと物足りない。貴方の真実がわかると言われてたどり着いた先が、何が真実かわからなくなる押井作品の「アヴァロン」の名前を冠したアパートであるし、ワンコはちゃんと出てくるし、要素はバッチリ押さえている。
そうであるにもかかわらず、始まりからずっと少佐に違和感があって、海外制作だからなー、と思っていたが最後の展開の伏線だと思えば納得かも?

荒巻役の北野武はちょっと滑舌が怪しく英語の字幕を読んじゃうときも。しかし、北野武独特の人を人と思わない格好つけない戦闘シーンはアウトレイジで見られたヤクザの立ち振る舞いで誠によかった。

吹き替え版はアニメ版と声優さんが同じとのこと…これは絶対見たい!
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