再鑑賞2
2023/8/24
U-NEXTの配信期限が迫っていたので再鑑賞。
ティーンのエネルギーが満ち溢れたオープニングからは想像できない、とても社会派な作品。
女性で貧困で、あまり良くない家庭環境で育ってきた主人公マリエム。
本作は居場所の物語であり、劇中で様々な居場所を転々とすることになる。
物語がアメフトのチームから始まることは、その後の対比とテーマを考えると、スムーズで鮮やかだった。
マリエムが現実と理想の狭間で自分自身を確立していく姿が強く美しい。
本作で最も印象的だったのは、本来青春の1ページを彩る様な瞬間のシーンが暗かったこと。
よく耳にする〈夜空が暗ければ暗いほど、星は明るく輝く〉や〈夜明け前が一番暗い〉といった文言。
本作での演出は、暗い中でも彼女たちは輝いている様にも見えるし、輝かしい瞬間なのに現実は明るいものではないというような暗示にも取れる。
本作の暗さは、それらを同時に表現する見事な演出だと思った。
また、近年の監督作品に比べると音楽が多用されているのが印象的だった。