◆あらすじ◆
ジミー・コンロンは殺し屋としてボスのショーンのもとで長く生きてきた。そのため、ジミーは息子のマイクとも疎遠であった。ある日、マイクがショーンの息子のダニーの殺害現場を目撃してしまう。マイクはダニーに殺されそうになり、ジミーはダニーを射殺してしまう。そのため、ジミー親子はショーンから命を狙われることになってしまう。
◆感想◆
マフィアのボスの息子を殺したために街中から命を狙われるハメになった親子の姿を描く作品であり、老いて衰えた主人公が息子のために最後の力を振り絞る姿が印象的でした。
ジミー・コンロン(リーアム・ニーソン)は殺し屋として腕の立つ男だったが、老いたこともあり酒におぼれ、やさぐれてしまっており、ボスの息子のダニーからも軽んじられる立場にありました。裏社会に生きる故、息子のマイク(ジョエル・キナマン)とも疎遠であり、駄目な感じが最初は伝わってきました。
一方、マフィアのボスのショーン(エド・ハリス)は麻薬取引などから手を引き、息子のダニーとともに安泰な暮らしを過ごしていました。ショーンはジミーとの付き合いが長く、信頼関係があったように描かれています。
しかし、ジミーがダニーを射殺したことにより、ジミーとショーンの関係は崩壊してしまいます。ここからが本作の見どころとなっており、マフィア、殺し屋はもちろん警察までがショーンの手先としてジミーとその息子のマイクを殺そうと襲い掛かってきます。孤立無援の中、ジミーとマイクが必死に逃げることになり、緊迫に満ちたシーンの連続と、本領発揮したジミーの戦闘アクションが十二分に繰り広げられます。
その中でもジミーとマイクの親子関係は相変わらず凍りついていて、マイクにとっては自身は捨てられた存在だとして頑なに態度を変えません。長年積み上げられた感情がそう簡単に崩れることはなく、マイクに感情移入しました。しかし、ジミーはマイクが人を殺さないように、自分と同じ世界に息子を入れてしまわないように必死に守る姿も、これまでできなかった父としての役目を果たそうとしているように見えて心に伝わってくるものがありました。
本作はタイトルどおり、夜に発生した事件をきっかけに夜通し、逃げ続ける2人を描いていますが、時間が経過して夜明けで近づいてくると同時にストーリーが結末へと進んでいく様子が寒々しく物寂しい風景と共に悲しさを伝えてきて、印象的に感じました。
アクション映画ですが、ストーリーとしてかなり切なく重い内容なので、評価が分かれる作品だと思います。私には年老いた殺し屋の寂寞とした姿がとても悲しくて心に何か伝わってくる良い作品だと思いました。
鑑賞日:2024年1月12日
鑑賞方法:Amazon Prime Video