あるてーきゅう至上主義者

美女と野獣のあるてーきゅう至上主義者のレビュー・感想・評価

美女と野獣(2017年製作の映画)
3.5
とにかく徹底的に美女と野獣。
徹底的に正統派ディズニー映画。
いわゆる社会批判だとか、新たに現代的なテーマを入れるとか、そういった試みは潔いほどにされていない。ストーリーも演出も、アニメ版とほぼ同じと考えて差し支えないかな。

じゃあつまらないのかとなると、これが面白いから不思議である。VFXの発達のおかげもあるんだろうけど、「ファンタジックな風味を残しつつ、自然な感じで城の中の家財道具たちを動かす」演出のクオリティがすごい。これは前作のアニメ版より好きかも。

もうひとつ、これは時代の流れとかは関係なしでミュージカルシーンの演出が素晴らしい。歌い出しまでの流れが自然だし、歌っている最中の動きや踊りの演出がとても切れ味がある。さすがは「シカゴ」のビル・コンドン。やりますな。

映画全体を通して美術や衣装デザイン、また中世ヨーロッパの時代考証も綿密で、世界観がとても華やか。そして、その華やかさに全く負けないかわいさと可憐さのエマ・ワトソン。今後彼女がどれだけ女優として成長しても、彼女を語る上で絶対に外せない作品になるだろうな。デート映画に超オススメです。