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美女と野獣のmgkのレビュー・感想・評価

美女と野獣(2017年製作の映画)
5.0
予想の、遥か遥か遥か上にあった作品。
はじまった瞬間から目が離せなくてもう密度と濃度が凄まじい。お話自体はよくよく知っているものだからすこしくらい余所見をしても分かるものなんだけど、それをしては駄目だと思ったし、ひとつの画も見逃したくないと思った。瞬きするのも惜しいってこのことだ。

ディズニーアニメの実写化だとシンデレラがたぶんいちばん好きなんだけど、その上をきてしまったかもなあと。というか実際公開してからも、「まあシンデレラと同じかそれよりすこし上くらいだろうな」みたいな謎の余裕があった。けどなんだろうな、、実際観たらもう「本気中の本気」って感じがビシバシと感じられて、シンデレラが超~~~好きなんだけど、とんでもないもの観ちゃったな、っていう感覚は美女と野獣のほうが上だった。(いや、でもやっぱりシンデレラが大好き。。)

観てからというもの気でも狂ったかというくらい毎日毎日朝から晩までサントラ聴きまくってた。アニメーションのほうを大事に大事にしてるのが分かるし、それでいて それを踏まえたうえで、実写化ならではの華美さもあった。豪華すぎてほんと制作側のいろいろを考えたりもしてしまった……

そしてキャスティングが神がかっていた。ガストンは彼の他にはいない……ルーク・エヴァンスのカリスマ性溢れるガストンを観ていると 自分まで「ガストン!!」と拳をあげてしまう。ガストンのカリスマ性はあの逞しさと、芯の通った(と言えばなんだか聞こえが良い)性格からきているのかな。自信に満ち溢れているひとってそれだけで周囲を「このひとについていけばなんだかすべてが上手くいくのでは」という気持ちにさせる。良い方向で芯を通し続けていてくれれば本当に素晴らしいキャプテンであったに違いない。かなしい。
野獣狩りに行くぞと村のみんなを煽っているとき、集団心理の怖さを改めて感じた。魔女狩りとかきっとこんな感じだったんだろうなと考えた。力のある人物のその発言力たるや……

ラストは泣きに泣いた。友愛に家族愛、もうどうしようもないけれど、最期にはそのひとの傍で、顔を合わせて言葉を交わして。美しすぎて涙がとまらなかった。

感想を書こうとすると観てからそこそこ経っていてもいくらでも書けそうで終わりが見えない。エマ・ワトソンはエマ・ワトソンでありながら同時にベルだった。ベルすぎないのはエマ・ワトソンこそがベルそのものだからだと思った。そしてエマ・トンプソンとの共演がとても嬉しかった。当時めちゃくちゃ読み返したアズカバンの囚人のパンフレットを思い出した。

とにかく良かった。陳腐な言葉だけど傑作だと思った。これを超える実写化ディズニー作品にはもう出会えない気がしている……本当に本当に本当に、すべての感動が詰まっている、間違いなく最高傑作。
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