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美女と野獣のニニのレビュー・感想・評価

美女と野獣(2017年製作の映画)
2.5
先入観なしで観ていたら楽しめたんだろうと思いつつ、ごめんなさい。
アニメ版に思い入れがありすぎて、ちょっと物申したいところが多々。

第一にエマ・ワトソンがミスキャスト。
ずいぶん辛気くさいベルだな…。
歌声は可愛いけど声量がなく自信なさげに聞こえるのでミュージカル向きではないんじゃないかな。

実写版の製作陣はアニメにあるエピソードだけじゃベルが野獣を好きになる理由が不足と判断したのか知的で読書家な設定を追加して来たけど、そのせいで相対的に野獣がベルに惹かれる方の理由付けが薄くなった印象。
この映画の野獣はベルが美女じゃなかったら好きになってなさそう。

私のお気に入りのシーンがことごとく改変されており、図書館のエピソードは「そんな風に消費しちゃうの!?!?」て感じだったし、"Because I love her."じゃなくて"Because he loves her."て、なんでポット夫人に言わせちゃったのか。
ついでに言うと"Belle, it’s me!"も、なぜかチップの台詞に…。

有名なダンスシーンの後のバルコニーのシーンでは、アニメ版で一度少し間を空けて座った野獣が距離を詰めてベルの隣に座り直すカットが人間味を感じさせて堪らなく好きなのに、実写版では立ち話でした。

アニメの野獣はベルに巨大な雪玉ぶつけないけど(投げようとしたけど自分の頭の上で落としちゃう)、実写版は思いっきり当ててたのも地味にショック。
「女が男にぶつけるのは良くて、逆はダメ」と言う古い価値観への抵抗なのでしょうか。
でも、野獣だよ?
あんな大きな手で、そんな野獣は見たくなかった。

本作に限らず、アニメ版へのリスペクトが無く、自らの作家性を見せたいと色気を出したりましてやオリジナルの足りない点を補完してやろうなんて驕った考えを持つ人は実写化に携わらないで欲しい。

星2つはアラン・メンケンの新曲とガストン、ル・フウの神がかり的キャスティングに。

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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