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アロハのBFのレビュー・感想・評価

アロハ(2015年製作の映画)
3.8
まず、この作品、ぼくはとても好きです。


フィルマークスや、その他個人のブログなど拝見し、様々なレビューを見て、批判のされ方にちょっとショックを受けました…

悔しいのと、自分の感想をしっかり消化させたいので、長々と書く。
見方はもちろんそれぞれですけど、未鑑賞の人がそのままスルーするのは勿体無いと思って!



ぼく、ハワイに行ったことは一度もないし、少し暗くなりがちな歴史やアメリカとの関係性、ハワイにおける人種のことははっきり言って疎いです。

それが故かもしれないけれど、映画にリアリティを求める人は結構多いんだな、と驚きが強く。あと、簡単に映画を切落とす人も多くて。映像と言葉と音楽と、もっと色々と感じられる要素はたくさん散りばめられていたのに、と悲しい気持ちに。

もちろん、映画の類によっては考証が非常に重要視されるものがあるし、適切な人種配置というか、演者とのリンクは欠かせないポイントになることも重々承知のつもりです。

しかし、果たしてこの映画においてそれが肝心なことだろうか。と思うのです。

以後、ネタバレあるので注意です。









いいシーンも沢山。懐の広い伏線回収もスゴくグッときたし愛に詰まってたんだけどな…
神話で空を荒らしたロノとペレのように、ブライアンとインで食い止める衛星打ち上げ後のシーン。そして、あんなに冒頭で冗談を交えるくらいブライアンと普通に会話をしているウッディが、自宅に戻れば無口になるのは「!?」ってなるよなあ。

あれだけ言いたいことが積み重なっていたトレーシーが、やっと言いたいことを消化できて、そのあとに仲直りできるのも気持ち良かった。ご都合主義ってまとめるよりも、''元恋人''っていう微妙な距離が、現夫による原因に加えて、実の子を介したわだかまりの方が強かったことに安堵したし、脚本として好感を持てた。

子役の子もすごかった!実の娘のフラのスピリチュアル感、ドレスを選んでその良さをハモったと思えば、ラストの目を合わせて理解し合う表情と涙にはこちらもうるっときた。

クズ男のブライアンも、幼い頃には空を見上げて未来を思うくらいに熱い情熱はあって、それでも宇宙を支配したい黒いやつらに揉まれて。だけど、イン大尉と相反する役どころから、''ドアのきしみ''がなぜロマンチックなのかを理解できるようになる。 終盤に彼の変化を感じる。「アロハ」を感じる演出を引き立てて、観る側がこちら側から、向こう側へ引き込まれるのに、とても魅力的な配役だった。

そのハワイの神秘をしっかり演じたエマ・ストーンもとても良かった。マナ、だったり、空の力もそう、死者や精霊の存在を恥ずかしげもなく信じて語るのに、軍に所属して、且つ、クズだと知って子守のつもりが、ブライアンに撃ち抜かれて恋をする。

人種・民族、信仰、祖国の垣根を越えても愛の気持ちは芽生えるんだね〜って心がほっこりしたキスシーンだった。付き合っても遠距離になるのを分かっているのに。

ハワイの歴史や出来事を踏まえたレトロな始まりから、現代の映像クオリティに移り変わる冒頭。ハワイアンな音楽や山と神話。それに対比するディスコ、それを支配するアメリカンな権力者。「○○をかけろ」なんてDJに言うアメリカンと、ゆったりとハワイの民族音楽を演奏して歌い合う先住民の違い。

ハワイである必要性と良さは十分にあるし、きっとあらゆる人間が失いかけてる大切なものとか、ひしひしと考えさせられた!


脱線するけど、ノートPCにステッカー貼るの好き!思い出残るんだよね、あれ。ぼくも学生時代のPCとiPadに貼りまくってある、最近はLPプレイヤーのフタ!

こんなレビュー書いたら嫌味みたいだけど、あくまで個人的に素敵な作品だと感じたので負けじと綴ったのでした。

主役3人イイですよ!表情たまらん!

また観たいなー!
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