すこやか

ロスト・シティZ 失われた黄金都市のすこやかのレビュー・感想・評価

3.0
タイトルからいわゆる”B級”を想像していたが、実在した探検家による黄金都市捜索の物語であることに驚き、さらに鑑賞後、その監督がジェームズ・グレイであることに二度驚く。といった自分の鈍感を、同監督による『アンダーカヴァー』『トゥー・ラバーズ』のような輝きを本作に感じられなかったことで言い訳させてもらいたい。140分の上映時間で、映画は未開の土地の冒険譚に収まることなく、黄金都市の存在を疑う20世紀初頭の英国政界、夫の不在を恨む妻と息子、彼ら彼女らとの対立と調停の物語が、それでも夢を諦められない哀れな男の野心と名誉に絡まりながら、たしかに実在したであろう一人の冒険家の人生を象っていく。その重厚な展開に意外性を感じたのは事実だが、歴史が映画を面白くするわけではない。
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