寺原泰地

さらば あぶない刑事の寺原泰地のネタバレレビュー・内容・結末

さらば あぶない刑事(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞前に「ランニング・ショット」を聴きながら映画館へ向かった。大正解。
恭サマが全力で走り、洒落たセリフを言い、華麗に飛び、若者の道標となる。それだけで「あぶない刑事」の完結編として十分な満足度を与えてくれる。舘さんと菜々緒のカップルは最早ギャグでしかないが、それもまたシリーズのらしさと言えばらしさなのかもしれない。
吉川晃司の悪役もハマリ役。ちゃんとハイキックかましてくれるし、何より説得力がある。前作の若い悪役は主役ふたりに対しての存在感や説得力に欠けるところがあったが、当然吉川さんレベルになるとその辺も文句なし。骨折までして会得したバイク捌きも熟れており流石。
まんま『明日に向って撃て!』ではあるが、それはそれで鮮烈だった例のクライマックスで終わっていれば、もしかしたら後世に残る超傑作にさえなり得たところを敢えて定番の三段落ちで終わらせる所まで含めて「あぶない刑事」として完璧なフィナーレ。後には残るものはない、というよりむしろ残さない潔さ。今の時代にこんな昔ながらの東映映画に出会えたことは幸せかもしれない。
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