MASARUの痛風は経過観察

スティーブ・ジョブズのMASARUの痛風は経過観察のレビュー・感想・評価

スティーブ・ジョブズ(2015年製作の映画)
3.7
ジョブスがクソ野郎だというワイドショー的な「陰」な部分よりも、彼の人生の中の絶頂期、
パワフルにキラキラと輝く瞬間を切り取った「陽」の部分が印象に残った。
商品発表会前の高揚感とそれをリンクさせたアーロン・ソーキンの脚本が素晴らしいのでしょうなぁ。
俺は、ダニー・ボイルの作家性って「元気の前借り」、
あ、失礼、「根拠のないハッピー感」(怒られるぞ)だと思っているので、
このアゲ脚本との相性は良かったと思う。

技術者や社長など様々なキャラクターが登場していた。
ジョブスをはじめ、全キャラが、自分の作った商品をまるで自分の子供のように愛していることが伝わった。
クリエイターあるあるだ。
ジョブスが子供を認知できない描写と対比しながら観ることができた。

全ての登場人物がそれなりに信念を持っていて好感がもてた。

ケイト・ウィンスレットが理想のアシスタントだった。
アメとムチのバランスが丁度いい。
ヒルズの金持ちIT野郎に派遣してあげたい。

劇中のセス・ローゲンのセリフでいう、
「才能と性格は共存できる」
っていうのには大いに賛成できる。
俺の経験なんてちっぽけなもんだけど、クソ野郎はある一定のところからは上に行けないもんだと思うし、そう信じている。

あと、ラストは俺にはやや甘すぎた。
「偉業を成し遂げるには何かを犠牲にしなければならない」サイドで終わって欲しかった。