シュンギク

太陽のシュンギクのレビュー・感想・評価

太陽(2016年製作の映画)
2.0
傑作と言われている舞台を映画化した作品。
プロット自体はそんなに悪くない。舞台で観たら楽しめたのかもしれない。...が、正直今作は映画化へのアプローチを間違えている気がする。


演劇のような過剰な演技、朗読のような発声。説明的で説教臭い言葉選び。
舞台という閉塞的で寓話的なステージの上なら問題なかったのだが、今作のロケ地や撮影はなかなかにリアル。寓話じゃなくて、説得力のあるリアルな映像のため、世界観のチープさやキャストの演技とでズレが生じてしまっていてかなり萎える。

舞台だと役者の存在感で保つ長いシーンも、映画だと冗長で退屈。やたらと長回しのシーンが多いのもテンポが悪い。結が○○○されるシーンから始まる長回しは胸糞悪くて良かったが。

鉄彦と門番の絡みも惜しい。というか、門番の設定が正直甘すぎる。ノクスの設定や10年前に殺人が起こっているというのにあの無警戒で設備のショボさはなんなのだろう。

ディストピア映画にしたかったのか、舞台を映像化したかったのか、それを現実的なリアルな作品にしたかったのか、どこにも振り切れられてなくて残念。
今作でも身体を張った演技を見せた門脇麦が見所だろうか。