とろん

太陽のとろんのレビュー・感想・評価

太陽(2016年製作の映画)
4.5
すごく面白かった。2時間くらいあるので、2日に分けて観ようと思ったら、引き込まれて全部観てしまった。新人類と旧人類で、階級分けされた社会だとか、新人類は制約はあるけど、老いや病気にも無縁でいられるとか、けっこうSFの王道を踏襲しているのも良かった。洋画だと、こう云うディストピア的な設定はよく見るけれど、邦画ではそんなに見ないのでとても新鮮だった。また、洋画だとこう云った話はたいがい、階級システムの破壊とか、旧人類から見た新人類の滑稽さに焦点があてられてたりするけれど、今作は、旧人類の愚かさに焦点が当てられていて、すごいなあと思って、絶望しながら観ていた。新人類を憎みながら、結局、旧人類は因習や差別や血縁や私刑に縛られていて、何も変われない。
全く変わらない未来が暗示されていながら、それでもラストに鉄彦が旅に出るシーンには、少し期待してしまう。
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