yuki

黄金のアデーレ 名画の帰還のyukiのレビュー・感想・評価

4.2
公開時劇場で。

ナチスに奪われた伯母の肖像画を返してもらう。言葉で表すとただそれだけなのに、歴史に揉まれ価値はあがりさらには国を相手にとなるとそうはいかない。過去に囚われたマリアの苦悩が見てて苦しい。失われた過去を取り戻すため、今を生きるため、そして正義。最後のマリアのシーンは本当に素敵だった。

現在のマリア、回想シーン、ランディの成長などバランスもよかった。
なにがなんでも返してもらう、と闘うのではなくマリアの葛藤と苦しみが全編にわたって感じられ歴史の重みを味わう。
ヘレン・ミレンって上品さとパワフルさを併せ持った本当にチャーミングな人だと思う。それでいて心の奥の痛みを表現するのがうまい。

1億ドル以上の価値があると知り話にのっかったライアン・レイノルズ演じる駆け出し弁護士の変化もとてもいい。現地に行き自分のルーツの歴史を目の当たりにし正義に目覚める。最近のライアン・レイノルズに食傷気味だからこの手の作品また出てくれないかな。結構似合う。

これサイモン・カーティス監督だったのか。回想シーン素敵だったもんなぁ。そして奥さんエリザベス・マクガヴァン出てて仲良し。
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