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黄金のアデーレ 名画の帰還のmaximのレビュー・感想・評価

4.3
教養の高い優しい家族と美しい叔母との宝物のような生活の記憶が美しければ美しいほどに、ナチスの非道な行為が際立つ。
ウィーンの悲しい過去に向き合う時、絵画の正当な所有者であるマリアは心の傷を抉られ、甥である弁護士は曾祖父や祖父たちが味わった恐怖や苦しみを知り、涙を流す。
それでも失われた過去の尊厳を取り戻すため、反目しあっていた2人が手を取り合って難しい係争に挑んでいく姿を応援せずにはいられない。
世知辛い争いが続く中で、マリアの回想シーンに現れるアデーレや格調高いインテリアなどが、夢のように美しくてため息…。


実話ベースということで、実際はさっさと絵画は売りに出されたそう。まぁ人それぞれ生活があるからねぇ。いいんじゃないかと思うから、あそこまで美化したラストにしなくてもなぁ、とは思った。
とは言え、全体的にとても良くできた映画だと思う。涙するシーンもたくさんあった。
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