森泉涼一

ラスト・ナイツの森泉涼一のレビュー・感想・評価

ラスト・ナイツ(2015年製作の映画)
3.4
紀里谷和明監督が5年の歳月を費やして完成させたハリウッド初進出作。
クライヴ・オーウェン、モーガン・フリーマンとハリウッドスターを主役に抜擢し、日本代表として伊原剛志を引き連れたのも粋なキャスティングと言える。
問題は「忠臣蔵」をベースにしたという点。記憶に新しいキアヌ・リーブス主演の「47RONIN」も忠臣蔵をベースにした映画。ファンタジー感満載で描き非難轟々になるかと思いきや意外にもこれが功を奏し新しい忠臣蔵を見れた満足感があった。
ハリウッド映画という点では変わりないが本作は遊び心が全くなく大事なところは忠臣蔵に忠実すぎるというのが難点だ。
主君の復讐に燃えるライデンが敵の目を欺きながら生活し好機を窺う。表と裏での生活感を侍の世界ではない騎士と城下町の世界観での面白い描写、その流れからの城への突入描写も巧みなカメラワークとアクションは紀里谷映画健在と示された気もする。
だがこれ以外に魅力に感じるシーンはなく、特に前半の主君斬首までのシーンでは淡々と忠臣蔵を描いているだけで面白味に欠ける。
森泉涼一

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