ミルク

ラスト・ナイツのミルクのレビュー・感想・評価

ラスト・ナイツ(2015年製作の映画)
3.5
ハリウッド忠臣蔵 β版。。

日本でこれほどまでに愛され続け、撮れることがテレビ局の力の現れでもあったコンテンツ、忠臣蔵。悪政に対し、物静かに言葉発せず、耐え忍び、主君に使え、最期は死をもって意見とす、という姿!日本人好きなんだなぁ、と年末ごとにひしひし感じるストーリーでした。

その話を、ハリウッド版の豪華キャストで、西洋に馴染みやすいバックグラウンドに整え(武士→騎士に変換)、ラスト・サムライをもじってラスト・ナイツとして、ちゃんと「翻訳」してあげたら、日本以外の人はこのストーリーをどう見るのだろう?と楽しみにしていました。

ところが、作りが弱すぎてちゃんと翻訳されることのない映画がつくられ、その議題も確認できることなく終わりました。
もちろん酷評の嵐だったようです。

残念で仕方ありません。

まず、タイトルまでに「この映画では、このテーマについて見せますよ」というポジション表明がないので、かなり中盤まで何を見せられているのかがわからないまま、そのまま映画全体への興味が失せた。

そして、中盤からも、登場人物のエモーショナルな心の機微が表現されていないため、全体的に雑だった。これは「忠臣蔵を2時間でやる」という偉業を成し遂げようとしているので、その皺寄せがきてしまったかなぁと感じました。

誰か、ハリウッド忠臣蔵をちゃんと撮ってほしいです!
ミルク

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