高熱のときに見る夢

Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡の高熱のときに見る夢のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

創作者の人格と芸術作品は分けて考えるべきと思いつつ、音楽は創作者が人生かけて創ったものなのに全く何も知らずに作品だけ楽しむのってちょっと不誠実なのかなという気がして鑑賞しました。本作の主題はジョニーの人間性。本人が亡くなっているので主に他者からのコメントで構成されていた。

娘が生まれたときジョニーは「俺のことを絶対に捨てない女ができた」と言ったらしくて、その考え自体は無垢だが傲慢でマジでどうなんだよと思いつつ多くの人間が持つものなんだろうな、身近にも観測したことがあります。

何度か映る動画のジョニー本人の目はずっと寂しそうだった。才能あるダメなイケメンって外野から見る分にはめちゃくちゃ好きなんだけどそばで支えるのはかなり大変だったろうな。ビリーもジョニーも最期がかなしい。当たり前なんだけど仕事でどんな成果を残して多くの人に愛でられたとしても死に方は関係ないのね、、
父親の不在や機能不全家庭の影響は死ぬまであったんじゃないかな、当事者以外わからんだろうけど彼の根底には満たされない寂しさが永久に疼いていたんじゃないのか。ドラッグで頭おかしくしても、家庭を持っても良い曲かいて良いステージ演って名声を手にしても満たされないのね。

私の好きな作家が「精神病、死を目前にした人間、子供だけが純粋」と言っていたがaddictionも完全に病の一つなので素直にずっと寂しさと向き合い続けてたんじゃないのか。いくらファンとは言え、寂しかったとはいえ、知らん人を家に入れちゃダメだよ。すごく悲しい。

ドラッグに手を出す行為は正しく間違えすぎでは。ドラッグは社会不安が高まるとよく売れるらしいがパンデミックの今も全世界でドラッグ爆売れしてたりしてな...

映画内で「観衆はただのジャンキーとして彼を消費している」という言及があったがここでもジャンキーの末路、といって切り捨ててるレビューが割とあって、人間性を描写したはずの映画なのにかなり皮肉だなと思った。

モリッシーが、ニューヨーク・ドールズのファンクラブを主宰していたらしいが全く知らなかった。(Wikipedia情報)
全員お洒落だったのでファッションなどにフォーカスした映像作品があればそちらも見てみたい。