Lyra

セルのLyraのレビュー・感想・評価

セル(2015年製作の映画)
3.0
大好きなStephen KingのThe Cellの映画化だから原作を読んでいたけれど、日本版の単行本もついでにかったら後書に「映画も決まった」って、書いてあったから探したのだがやっていなかった!
当時忙しくてそのまま忘れてしまい数年。人と話していた時に何故か思い出して何年か越しのラブ!な感じで視聴したのでした。
が、やはりStephen King!
毎度原作の良さに及ばぬ出来栄えの映画作品の数々に嫌気がさしながらも、結局コレクションを集めるかの様な義務感から見て来ましたが、これも他の作品に漏れずヤバめの完成度。
いま、思い出してとってもやるせない気持ちになっています。
やるせな過ぎて感想書くのやめようと思っていましたが、内容を思い出したらモヤモヤしておまけにあのエンディングだから、イライラして感想書かないと気分が晴れない!ってなり今書いています。
原作は賛否両論ありますが、私は好きな作品で、Kingらしい親子愛と現代社会の不条理を描いたモダンホラーとしても名作なロードムービーみたいな長編小説だと思って来ました。
だからこの映画も個人的にすきなロードムービーのゾンビホラーで親子愛のある悲しい映画になるんだと期待して見たのです、、、
が、こりゃあ、なんだ?
出だしのエアポートの所は良い。
迫力あるし、原作に近いかも。
だが線路で歩き出したあたりから違う雰囲気に。
1時間半ちょいにまとめた映画だから原作と同じようには描けないだろうけど、出会った人々との交流が、適当に描かれていてうーん、命の大切さが胸に来るはずなのに軽るじられているようで残念でならない。
原作では出てこない〇〇がいるからか、ジョンキューザックのパパの葛藤がなくて、ただ逃げて殺すだけの話になっている、
原作だとセルフォン使っていた人間たちは凶暴化してゾンビになるが、こちら殺しまくるだけで、途中から群れてるだけに。
原作でもなぜこうなったかは、丁寧には書かれていない。
だが、全米大陸横断する父親と出会う人々との関係性や酷い環境での息子との悲しい再会や、再会から先への不安定な未来への父親の意地にも似た希望をもつシーンがあるからこそ感動に繋がったのだ。
それがこの映画にはない。
大体、あのパーカー男は何?
原作にもあったが、こんな扱われ方はしていない。
これじゃあ幽霊か悪魔が引き起こした事件みたいで夢物語で終わってしまうぞ?
アリスが死んだシーンが可哀想だが、それ以外は怖さもなく、キーキーFaxの音がしているだけ。
出ている俳優さん達は嫌いじゃないしむしろ好感を持っている俳優さん達ばかり。
それなのにスタジアムの一気に燃やすシーンからあとは地味に。
ラストはぐるぐる回ってるだけだし…喜劇?
コメディを狙ったのか?
シャイニングの支配人とぬいぐるみや、悪魔っぽくしたかったのかな。
息子との再会も結局は夢みたいだし。
悪魔じゃないのよ原作は!
人間が引き起こしたことなのに、この映画のあの終わり方だと悪魔か何か得たいのしれない力の仕業になってしまう。
親子愛で終わるラストが全くない。
その代わりに青白いジョンキューザックの顔のグルグル(見た人はわかるでしょ?)
それも繰り返しグルグルを見せるって、絶対に「この終わり方でOK〜〜♪」って自信があってあのオチにしたんだわー。
父親の無償の愛はなくなった…
悲しい
大好きな小説が、こんな風になってモヤモヤしてこんなにツラツラ書いてしまったわ。
気持ち悪い終わり方したからイライラが止まらん!
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