最後のシーンはとても美しい。
男性監督だからなのか、女性の描き方が表面的。
ただ、最後の最後で、本当にゲルダが受け入れられたんだな、と思う描き方は美しかった。
舞台セットや、衣装もとても綺麗だし、メイクも徐々に素顔に近くなっても美しく見えて行く感じは圧巻。
『私はロランス』のように、スッと入り込める感覚もなければ、『フランキー&アリス』のような苦しみも描かれていない。
性別違和でない人たちが作っているからなのかもしれないけれど、描き方がリリーに対して気を使いすぎていて、感情移入がしにくい。
ゲルダをどうしてここまで独りにさせるのか、後悔させるような発言ばかりするのか、リリーはどうしてこんなにも自分中心な優しさしか見せないのか、もどかしさはとても感じた。でも、エディは本当にすごい役者だなと思った。
これが100年近く前なのに、目線や状況は、まるで10年くらい前なんじゃないかと思うくらい。
最近はテレビにもたくさんの方たちがでてきて、違和感がなさすぎることすら、違和感に感じるくらいになったけど、ずっと進まなかったんだろうな。
でも人がそこまでこだわる性別ってなんなんだろう。
夫婦になれば大きな問題だけど、友達なら、大した問題でもないんじゃないかな…。