KazukiNuHasebe

軽蔑のKazukiNuHasebeのレビュー・感想・評価

軽蔑(1963年製作の映画)
4.6
理解不能な映画ばかり作るゴダール映画の中でも一番理解しやすい映画。
この映画はハリウッドとヨーロッパ映画の対立、映画興行と芸術性対立、金と愛の対立といったことを描いているが、一番のテーマは、「愛情から軽蔑の念に一瞬にして激変する女性の気持ち」です。
女性の気持ちが愛情から軽蔑に変わってゆく様と、軽蔑したあとの男女のみじめな会話の様を、見事に描いている。
いつの間にか奥さんは旦那のことを一気に嫌いになるのだが(なぜ嫌いになったのかは俺もわからない)、旦那はどうして嫌われたか全く分かっていない。そのあげく奥さんを追いかけ、なぜ嫌いになったのか聞く…といった感じのストーリー。
男性にとっては理解しがたく、女性にとっては共感する作品。
色の鮮やかさ、ブリジットバルドーの美しさにも魅入ってしまう。
村上春樹は、ゴダールは若いときに観た方がいいと言っていた。なんとなく、分かる。
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