地球最後の帰郷
ストーリー
巨大な隕石が海に落下し、地球が滅亡するまで残り12時間。1人の男は、逃げ惑う途中に父親とはぐれてしまったという少女を助け出す。そして、彼は彼女の父親を捜し出そうと町を出る。
監督 ザック・ヒルディッチ
無難な地球滅亡ものかと思いきや、たった1人の男を静かに大胆に激しく映し出す。
カンヌ国際映画祭出品作。
どことなく我々日本人に馴染みのない光景。
それでいて黄色味がかった色使いと地球を襲う「それ」
次第に明確になる地球滅亡のタイムリミットと男の真の生きる意味。
この短時間でそれをやるのかと驚かされた。
86分作品だが、体感は150分。それでいて最高に面白。
主人公はどことなくフランクグリロぽさアリ。
どこかロードオブザリング的雰囲気もありながら人生を無駄に生きてきた男が12時間で真の目的に出会う様は必見。
抑揚をつけた人間関係と尖りまくった場面転換、カンヌが好きそうな複雑に絡まりまくった人間模様。
もしかすると、カンヌ常連監督達にこの映画を撮らせたら賞の受賞もあったかも?
それくらい素晴らしい内容。
この作品の悪いところは日本のパケ写。
安そうなB級映画感とセンターに立つ男と少女。確かにその様な映画だが、そこしか見えてなかったの?と疑いたくなるほど酷いパケ写だ。
一回このパケ写は忘れてもらって、ローランドエメリッヒ的作品ではないです。ドンパチリはほとんどない。
どちらかと言うとゾンビの登場しないウォーキングデッド寄り。
人間の中身に焦点を当てたなかなかの良作であった。