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ゴーストバスターズのSnLのレビュー・感想・評価

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)
3.5
キャラの立ったコメディエンヌたちのレベルの高さに舌を巻いた。中でもエンジニア・ホルツマンは、パンキッシュな出で立ちと次々と戦闘用具を生み出すクリエイティビティ、そして2丁拳銃での立ち回りまで含めて完璧に近い造形、活かし方がされてると思う。旧作もあるわけだし、特段驚きのないストーリーにも関わらず満足できたのは彼女の存在によるところが大きい。
ゴーストにまつわる事件が発生した地点を点で結んで現れる線についての部分がイマイチ聞き取れなくて悔しかった。でもNYに巣食う妖気の通り道とその線が重なる、といったようなことを言っていたようで、聞いたこともなかったNYの新しい一面を見られたような気もする。実在するのかどうか知らないけど。

第一弾から打って変わって、メインキャストを女性が占めることが話題になってるみたいだけど、その話題性とは裏腹に、内容面で女性主人公たちの性差が取り立てられることは(お色気的な方向はおろか、逆にフェミニズム的な問題提起の方向でも)皆無に近い、というよりも極端な程に性差の表現が排除されているようにすら映る。
冒頭、第一ボタンまできちんと閉められた窮屈そうなシャツに身を包むエレンの姿はセクシーさなどとは無縁のその後の物語を予期させるし、ゴーストバスターズお揃いのダボダボのつなぎがそれを補強する。

女性中心のキャスティングを騒ぎ立てる観客の裏をかき、それを嘲笑うかのように性差を排除した先に、むしろ男だからどうこう、とか女だからどうこうとかが関係ない世界を描きたいんだっていう意思がキャストの服装1つとってみても透けて見える作品。
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