HirokiKurita

セバスチャン・サルガド 地球へのラブレターのHirokiKuritaのレビュー・感想・評価

4.8
ドキュメンタリーの枠を越えた価値のある作品。写真家として行き着く所が人間への深い関心であることを改めて感じた。ただ報道写真を通して、それが情報だけを発信してるのではなく、芸術性も兼ね備えている点で、サルガドが極めて優れた芸術家であることが伺える。人間の歴史は戦争史であり、「何のために人類は存在するのか」ということと、彼にとって「表現すること」は必然的に直結することで、もっと多くの人間がこれを認識するべきである。生まれ育った環境が違えば、ものを捉える視点も異なる。サルガドは常にそれを考え、世界各地をまわり、それを伝えてきた。自分の感覚と共鳴するものがあって、とても影響を受けた。多くの人にみて欲しい、ドキュメンタリー映画の傑作。