このレビューはネタバレを含みます
ロッキー1〜5辺りをダイジェスト版で纏めました的なプロット。主人公の成功から挫折、そして成長という人間的過程を感動的に描いている。優等生のスポーツドラマ。
ボクシングというスポーツを描くとなると、どうして成功か挫折というパターンしかなくなってしまうのは致し方ないことなのかもしれない。
ただ、それだけシンプルなストーリーにならざるを得ない中で、ドラマ部分はきちんとドラマしていて、試合のシーンも臨場感溢れる描写が多く、飽きることも少なかった。
主人公を育てる師が、既に自分の夢破れた人物で、それが自身の夢を託して勝利するという優等生なカタルシスを感じられる映画というと「ロッキー」や「ベスト・キッド」などがあるが、本作もそれに近い満足感を得ることができる。
本作は、ラッパーのエミネム主演で企画が進んでいたが、途中から代役としてジェイク・ギレンホールになったとか。
確かに、50centやRita Oraという音楽勢が出演していたり、主人公が最低の環境に陥ったりする流れや、愛する娘を取り戻すとか、唯一無二のプレイスタイルを獲得するシーンなどを見ると、やはりエミネムの生い立ちをかなり汲んでいたことが判る。
（主題歌はその面影かエミネムが担当）
フォレスト・ウィテカー＝Dr. Dreってところでしょうか。
実際、エミネムが最後まで演じていたらどうなったのかな〜という思いを残したまま鑑賞したので、気もそぞろだったかもしれない。
ギレンホールの肉体改造にも脱帽だし、本職のボクサーのような立ち振る舞い、流石俳優！の感想。
