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カサバー町のmillikのレビュー・感想・評価

カサバー町(1997年製作の映画)
3.3
『雪の轍』の名匠の、初々しいデビュー作。日常の物語でありながら、空中ブランコや、電柱の上のコウノトリの巣(面白い絵過ぎて天然なのか知りたくてググったら、電柱の上に巣を作ることはあるあるらしいw)など、そこにある風景をユーモラスに切り取った、遊び心あるショットがたくさんでたのしい。
縛られたロバ、裏返って起き上がれない亀、貧困にあえぐ村民の大人、みんな寄りのショットで捉えられるが、目に力がない。その分、少年のきらきら輝く眼差しが強い印象を残す。少年の姉である少女が最後、川に手を突っ込んで掴もうとしたものはなんだろう? 気になってよく観ようとするわたしたち観客の眼差しは、少年の生き生きとした眼差しに一瞬近づいているのかもしれない。
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