カワココ

バリー・シール/アメリカをはめた男のカワココのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

バリー・シール。トム・クルーズの俺様かっこいい映画(褒めてる)の中でも強くない方のかっこいい映画。バリー・シールは実在の人物で、もともと民間人なのにCIAに利用されたり利用したりして麻薬の密輸でぼろ儲けした人です。

さすがのトム・クルーズで、コミカルかつ爽快な演技。映画の中のバリー・シールはずるずると状況に飲まれながらもうまく立ち回り、危機を乗り切り、大金稼いでも浮気しない、家族を大事にする男です。

ですが、ですがね。やっぱ悪人なんですよ。彼が中南米から密輸した大量の麻薬は多くの人を不幸にしてるわけですし、彼が麻薬カルテルに横流しした大量の銃器は犯罪組織に渡って人を殺してるんですよ。百歩譲って共産主義国家に金や情報や銃器を渡したのは、人道的にはともかく国益の為と言えても、あくどいことやって荒稼ぎした事実は変わらんのです。

なので、あんな風にいい男に撮るのはさておき、もうちょっと悪そうに演出するか、あるいはもっと悲惨な死に方をして欲しいと思うのです。ズルしたら、悪いことしたら、報いを受ける。あるいはそれを予感させる終わり方にする。悪人は悪人として描く。娯楽作品だからこそ、それって大事だと思うのですよね。
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