にまみれも

ビッグ・リーガー Big Leaguerのにまみれものレビュー・感想・評価

ビッグ・リーガー Big Leaguer(1953年製作の映画)
3.8
赤狩りに追われていた、エドワードの復帰第一作との事。
シネマヴェーラの壁に貼ってあった、コピーによると、「これ以降はエドワードはカッコ悪い役ばかりやるようになった」との事。
しかし、私にはボギーと共演してた時代の、血も涙もない正統派な悪役時代のエドワードより、「カッコ悪い」役のエドワードの方が魅力的に感じる。
今作でも、人情味あふれるコーチを演じてるけど、実にこれも魅力的!

若者たちは、無名の俳優たちというが、みんなそれぞれキャラが立っていて、みんな応援したくなる!
スペイン語しか話せないので、辞書片手に頑張るキューバから来た少年が、いい味を出してる。
今は、キューバは米とあまり交流してなかったと思うんだけど、この時は今ほど緊張感がなかったという事かな?

練習シーンでは、カメラのレンズすれすれに球がかすっていくのがすごい迫力!

コーチのいう事を聞かない、生意気なピッチャーは、後半怪我をすることになるが、ひょっとして、「観客の『生意気なガキは、一度は痛い目に遭うといいんだ』な気持ちを形にしてみました」って事じゃないよね…?

ラストは爽やかなエンド。
萩尾望都の「11人いる!」を彷彿させられる。
どちらも未来に向かって進んでるしね。

出演者を見てると、実際の野球選手も出てたらしいので、なんとなくニャリ。
心温まる、いいヒューマンドラマでした。