SHOHEI

ラ・ラ・ランドのSHOHEIのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.4
ハリウッドで女優を目指すミアは売れないジャズピアニストのセブと幾度も偶然の出会いを重ねる。ミアと『理由なき反抗」の上映を観に行く約束を取り付けたセブだったがトラブルにより映画は中断してしまう。ふたりは映画の続きの場面であるグリフィス天文台を訪れ似た夢を持つ者同士、交際がスタートする。

同じ境遇の男女が夢を掴むために奮闘するロマンス・ムービー。ライアン・ゴズリングはこういう不器用な役が似合う。彼の演じるセブは古き良きジャズの信奉者である一方、好きでもない音楽性のバンドで成功してしまったがために恋人ミアにそれが夢に対する妥協ととられ、次第にすれ違うようになる。綺麗事抜きにして言えば妥協も人生設計の上で立派な決断のひとつだと思うが交際相手が「妥協を押し退けて夢を叶えろ」と言う以上、ふたりの関係は同じ目標を持つ男女の友情関係にしか見えなかった。そんな調子じゃふたりが別れるのは当然だったように思えるし、ありえたかもしれない結婚生活が描かれるラストシーンも全くその可能性を感じさせなかったため響かなかった。ただ『理由なき反抗』を引用したグリフィス天文台のデートシーンは素敵だった。
SHOHEI

SHOHEI