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ラ・ラ・ランドのwtson322のレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
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なんやかんやで3回鑑賞。
ここまで小気味のいい映画を観たのは久しぶり。往年のミュージカル・名作映画のオマージュが取りざたされているが、この映画では「夢を追うこと」というテーマがファンタジックに、時には白昼夢的なミュージカルとして落とし込まれることでかえって現実を生きる「夢見る人々」の生々しさを私たちに問いかけてきているよう。
iPhoneに映るオーディションのリマインダー、壁と窓に登場するイングリッド・バーグマンやジェームズ・ディーン、赤・青・黄色のまさにテクニカラーなドレスを身に纏いプリウスで繰り出すパーティー。こうした現代のテクノロジーと50年代ハリウッドの片鱗が入り混じる演出、突如始まる歌とダンスというミュージカル特有のコミカルさを逆手にとってギャグとファンタジーに消化する確信犯的な映画のテンポが面白い。
La La Landに生きる人々は、誰もがミアとセバスチャンのように、それぞれ出会って交差して、夢と現実の狭間で傷付き、妥協して、ぶつかりあう。それでも自分で切り開いていく道に対して、新しい痛みと選択の連続にカウントは続いていく。
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