日高

ラ・ラ・ランドの日高のレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.0
思ってたよりは...という感じだった。色とりどりのドレスを着て女の子たちが華やかに笑いながら、力強く踊るシーンは、流行りだな〜と思いながら眺めた。ジャズはこのままじゃ死んでしまう!と男性が力説していたのに、流行っぽいジャズが演出に使われていて、あべこべだった。夢を追う男女の歩む道は必ずしも同じ方向ではないというテーマは好きで、「セッション」のときにもチラッとそういうシーンがあったのだけど、こういうやるせなさみたいなのをちゃんとごまかさずに描いてくれるのは嬉しかった。

彼女が彼氏の道であるジャズに興味を持って、ジャズを好きになるところがある。ここが素晴らしいと思った。なぜかというと、ジャズというものを「彼氏が好きだから好き」なのではなく、「自分が好きだから好き」になっていたからだ。彼女が自分でジャズの面白いところ素敵なところを探して、間接的にではなく直接的にジャズを楽しんでいたからだ。それは彼氏のピアノ演奏に合わせて踊るときの表情からもうかがえた。ピアノを弾く彼氏に夢中なんじゃなくて、ジャズに夢中って感じだった。それが良かった。

彼女が、自分で何を好くか考えていた。彼氏は、ジャズをどう楽しめばいいかだけをひたむきに教えていた。強要や束縛はなく、お互いがお互いに、自分で決めて生きていた。だからああいう結末になったと思うし、それでもふたりはちゃんと自分の人生を生きることができたのだと思う。
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