matsushi

LION ライオン 25年目のただいまのmatsushiのレビュー・感想・評価

4.2
サルー役の子の愛くるしさたるや。これはこの作品を見た誰もがまずはじめに思うことでしょう。

サルーの幼年期から青年期の課程を詳細に描きつつ、自分の過去を本当の自分を探すという、感動のヒューマンドラマ。
終始静寂を保ちつつ、音楽(ピアノ)や表情でサルーの悲壮、葛藤、苦悩などの心情を詳しく描写して、物悲しさ漂う作りになっていました。
グーグルアースを彷彿とさせる俯瞰撮影を多く使用し、スクリーンに映るその道のりが帰りを待つ家族への帰路のようにも思えます。インドの闇の部分でありながら事実である過酷な現実問題も描かれています。
サルーを養子に迎えた夫婦の子供に対する考え方が日本ではない考え方でこういう考えもあるのかと驚かされました。
あまり多くは語りませんが、ハッピーエンドではあるもののどこから悲壮感が残るラストです。そのラストに涙が溢れ出てきます。後半はずっと鳥肌が立っていて、くぅーっと叫びたくなるほどでした。
事実の話では少し脚色され事実と異なる部分も多くあることもありますが、この作品はそれをなしにしてもかなり感動します。
この映画のタイトルの意味を知った時、驚嘆を覚えました。これはぜひ誰かと見てください。そしてこの感動をその人と分かちあってください。

本当に感動の一言で、映画館で本気で泣いたのは久しぶりです。
いい映画と出会えました。
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