レスター

山河ノスタルジアのレスターのレビュー・感想・評価

山河ノスタルジア(2015年製作の映画)
4.0
試写にて鑑賞。
1999年、2014年、2025年と3つの時代を通して、経済の発展や年齢、価値観を等身大に描く。

正直言うと、予告ほどの壮大さはないが、人物を絞って、深く感情や価値観の変化を描いているのがとても良かった。
バイオレンス要素の強い前作「罪の手ざわり」とはまた違う印象でした。
前作にも登場した動物は、
虎=思いが強いが檻に入っているダラー、
犬=しがらみの首輪をつけて長年待っているタオを連想させる。

ジャ・ジャンクー監督の対話をしている時の独特の間、美しい風景も健在。
特に河辺で花火を上げるときの3人の構図が美しい。

後半はそれぞれの「囚われと自由」の価値観を表しているようで、時代と共に変わっていくものと変わらないものを提示しているように見えた。

挿入歌の「GO WEAT」と「珍重」の対比も非常に良かった。