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マネー・ショート 華麗なる大逆転のrurのレビュー・感想・評価

3.9
めっちゃくちゃ面白かった! 市況2板の住民は絶対見ろ! 俺らのための映画や!!! でも4点はあげたくないの。なぜなら脚本は超面白かったのにところどころのクソださい展開なんなのそこにギャルズいります? お兄さんの自殺とか別にいらなくない? なんでドラム叩いているのマッドマックスとかバードマンの真似なの。実在のこの人にドラムの趣味なかったら監督を後ろから蹴り倒しちゃう案件だからね?! あと説明的な台詞多すぎじゃないの。なんでマ…マ…クリスチャン・ベイル? スティーブン・カレル??ええとポスター一番左の人、そんなに知らないの素人みたいなの?!

私はちょうどこのときfxをやってまして、買うだけでスワップ(金利差による手数料)が入ってくるので日本円をショートしてたんですよね。1ドル124円で日本円をショート(=ドル円をロング)。円高になれば大損です。そしてガンガンさがっていくので毎晩市況2板でバーナンキ講演をリアルタイムで見ていたわけですよ! ポールとかグリーンスパンとかが自信満々に言うのを見てはアメリカすげえええってなってたわけですが、その実だんだん追い詰められていく様子も目の当たりにしていたんですよね。画面にときどき現れるだけで「うおー」とウェイブ送りたくなるぜ。

そして4月のベア・スターンの破綻も9月のリーマンショックもしっかりはっきり覚えていたのでめっちゃ楽しかった! しかし字幕! お前なんでベア・スターンズさんのことベアーって省略しちゃうの?! 知ってる奴もわかんないだろこれ! 反省して!!

というわけで二人組がベアスターンズでCDSを買う(これが基本ショートになるわけです。CDSの概要は知っていたけど、あ、これを買うことでショートになるのか! こう使われていたのか!と目から鱗でそのへんも面白かった)あたりで「ベアさんはアカン(ニヤニヤ」とかしながら俺この映画120%楽しんでいる!状態で見てましためっちゃおもろかった!!
ていうかCDS買いをもってショートに替えようなんて考えた人がすごい。最後に489%の運用益出していたドラムの人は、けれどリスクに対して大きすぎるリターンとは言えませんね。ヘッジとして意識したなかった顧客に対しては背信もいいところだし、解約制限を付けたのも酷い悪手だったし裁判に巻き込まれて当然だと思いました・

格付会社のインチキは前からわかっていたので特段どうも。格付があがる=売り抜け予告、格付がさがる=買い集め予告、と判断している今日この頃です。

ところでベアさんが破綻する前にNHKのクローズアップ現代あたりでサブプライムローンの焦げ付きやモーゲージ債権の問題点なんかを特集していた記憶があるんで、あんな無防備だったわけないと思うですがね。特にゴールドマン・サックスさんは大儲けしたって聞いたんですが、その要素一切なかったですね?

なおドル円はオバマ大統領当選で104円に戻ったときに決済しました…。

[追記]2007年8月~FX取引ブログつけてました。2007年8月で『案外サブプライムの影響が大きくなるのでは…』と書いてあって、ウォールストリートジャーナルの記者がしぶって記事にしないふうなエピソードがありましたが、そんなことはなく全然フツーに記事になっていた記憶があります。なおCDSは2006年から取引量が急激に上昇しているので、ドラム野郎が投資を開始したのは2006年からですね。早すぎ…

[追記2]原作めちゃんこおもろいわ! 元々、ドラム野郎のファンドは契約したら1年は解約できなかったんですね! そしてドラム野郎は破綻するところからCDSを買っても設けられない(共倒れになる)と知ってて、ベア・スターンズとリーマン・ブラザーズを最初から取引相手として外していたという。炯眼すぎてドキドキするぅー。出鱈目な債権が私の使っているかなり保守的な証券会社でもバンバン売られていた時期と、債権市場が膨張していく時期が一致していて臨場感あるなんてもんじゃない…。あと最後の、「水」市場ですが、取引が活発になれば「水」が暴騰するわけで個人的にはそういう投資は好かんけど、ジム・ロジャーズはじめ数人の有名投資家は次に来るのは「水」って言っていて、なぜそう喧伝するのかっていえば水市場がものになれば先行利益を得られるからで、乗るほうがアホだと思いますよ。
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