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ブラックフット クマ地獄の3110136のネタバレレビュー・内容・結末

ブラックフット クマ地獄(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。想像より怖かった。


ホラー映画というと、心霊現象とかサイコ野郎とか多いですが、こういう自然の恐怖も良いですね。《Based on a true story》だそうです。

この映画で一番怖いと感じたのは《遭難》。あの《湖についたと思ったのに、目の前には広大な森》の絶望。めちゃめちゃ怖い。もちろん経験したことはないし、たぶん経験することもないと思うけど、なぜか主人公たちが感じているであろう《絶望》を感じたのです。

《恐怖》とは、かなり古い感情の一つだそうです。そもそも生き物が生きるため、死を遠ざけるために必要な感情。《遭難》の恐怖が、私の遺伝子にも刻まれているのかもしれない。

この怖さ、うまく言葉にできない。なんというか、相手が大きすぎる。逃げ切れない。そういえば、全く違いますが、《ブレア・ウィッチ・プロジェクト》を思い出しました。


●超簡単にあらすじ
国立公園にキャンプにきたアレックスとジェン。いつのまにか道に迷ってしまう。クマに襲われアレックス死亡。怪我をしつつもジェン帰還。

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とても簡単に書くとこんな感じ。主要登場人物も少なく、アレックスとジェンの他にはブラッドという自然公園のガイドくらいです。ストーリーもシンプルです。

Filmarksのタイトルだと《ブラックフット クマ地獄》、イメージも雄叫びを上げるクマと逃げるカップル(男は虫の息)。これだけ見ると《B級》感があります、《自然公園にパリピ系カップルが遊びに行きセッ○スしている最中に熊に襲われる》的な映画をイメージした方、ハズレです。けっこう真面目な映画です。
※AmazonPrimeだと《クマ地獄》というサブタイトルが付いていない&イメージも熊だけ。ドキュメンタリーっぽい感じなのかなと思いながら鑑賞を決めました。Filmarksのタイトルだったら今回は見送っていたもしれない。タイトル、イメージって大事。もちろん逆もあって《クマ地獄》だからこそ観たって人もいそうだけど。

それにしてもジェンは良かったですね、よく元の場所にたどり着いたよ。奇跡ですね。まさかの最後の最後、テントの場所に戻って来ちゃった、とかのループエンドじゃなくて良かった。


●ホラー映画について
ジャンルの話をすると《恐怖》を感じるのが《ホラー映画》。中分類は《何に恐怖を感じるか》、つまり恐怖の対象ですね。恐怖の対象は、大きく2つに分類します。うまく言葉にできないのですが《この世に存在するもの》と《存在しないもの》。存在するものとしては、今回の熊や殺人鬼です。存在しないものとしては、心霊現象だったりオカルト、呪いの類です。

肌感覚ですけど、《存在しないもの》を対象としたホラー映画はけっこう多い気がしますが、《存在するもの》を対象としたホラー映画はあまりない気がします。やっぱり幽霊とか人気なんですかね。私も幽霊とかオカルトとか好きです、怖くて。

・自然の恐怖
今回のブラックフットは《存在するもの》が恐怖の対象。ただ面白いのは《存在するもの》が恐怖の対象だとしても、観る人が住む世界と《地続き》かどうかはまた別の話。意外と「呪いのビデオ」とかの方が《地続き》だったりします。ま、この映画はアウトドアが好きな人にとっては《地続き》なんでしょうな。

・仲違いの恐怖
もう一つ怖いのが《疑心暗鬼》や《仲違い》。人は追い詰められた時に他人を疑ったり、他人のせいにしてしまうことがあります。今回、メインと登場人物はアレックスとジェンですが、本当は助け合わなきゃいけないシチュエーションで、疑心暗鬼や仲違いが発生すると大変です。二人は恋人同士。遭難が発覚した瞬間、ちょっとケンカしましたが、すぐに仲直り。もっとギスギスするとより怖かったのですが、実話ベースの脚本ということですのであまり脚色されすぎてもいけませんので。でもアレックスも「地図はいらない、携帯もいらない」という玄人ぶりのわりにすぐ迷っちゃって、なんだかなぁという感じですね。

キャンプが始まった最初の夜、公園のガイドブラッドが登場したシーンで、ちょっと不穏な空気が漂うんですが、あれも良い演出でした。ブラッドが良い奴なのか悪い奴なのかわからない。あれも疑心暗鬼の恐怖。

・熊の恐怖
後は熊。熊はやっぱ強いっすね。私は動物園でしか熊を見たことがありませんので、その本当の恐怖はわかりません。でもあんな大きい熊に襲われたらひとたまりもありませんね、きっと。アレックスが熊に殺されてしまいますが、その描写も結構リアル(だと思う)。テントに襲ってくる熊の映像だけややチープでしたが…。

●その他
話は完全に脱線します。
海外のTV番組で、サバイバル系のものがありますが、結構好きで見ていた時期がありました。単身で自然の中で一定期間生き抜く、というような内容です。今もYouTubeなどで検索すると出てきますので気になる方はぜひ。で、その番組によると、自然の中でサバイブするときに大事になってくるのが次
の4つだそうです。
①水の確保(人間は食べなくてもしばらく生きられる)
②寝床の確保(雨風を避ける、体温を奪われないように)
③火の確保(火があれば暖を取れるし、食料の幅も拡がる)
④食料の確保(説明不要)
その上で、人里へ辿り着くためには、川を探すのが良いそうです。一度川を見つけたら、川が流れる方へ進んでいく。そうすればいずれ海へと辿り着く。海岸へ辿り着くと人里へ辿り着ける確率はぐっと上がるそうです。無人島では別ですがね。
内容は保証いたしません、ご了承ください。
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