山の事故などにも共通する、大自然の中での知らないうちに陥る遭難の怖さと、完全に孤立した樹海の中で野生の熊と遭遇する恐怖。
主人公たちが無自覚なまま徐々に窮地に陥る様までを、まずは丁寧に描かれていて、不幸なカップルの心の動きを、見る人は丹念に追うことができます。
そして、少しづつ、兆しの様な形で発されていた警告が、突然はっきりと像を結んだ瞬間の恐怖と絶望感。
樹海の中で正しい判断をすることができれば、何も起こらずに済んだはず。本能の声にもう少し耳を傾けることが、現代人は自分で思うよりも意外とできないということが描かれているんです。
都会の暮らしの中での普段の感覚を、大自然の境でも持ち続けてしまったが故の恐ろしい事態。
ここら辺の絶望感は、スキー場で孤立した若者たちが狼と遭遇するパニックホラー映画「フローズン」をちょっと思い出したりしました。
あと、よく言われるのが「オープンウォーター」ですね。海の真ん中で無防備に孤立した状態でサメに囲まれるっていう、トラウマ級のホラーです。
とにかく、この映画「ブラックフット」を観て、僕は山や樹海に不用意に足を踏み入れる様なことは、生涯、一切やめようと本気で思いましたw。
実話を基にしてるっていうのも、心底、「熊の恐ろしさといったらどうよ?」という感じです。
そもそも熊に合いそうな場所にも、金輪際行きたくないですねwww。