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二重生活のぴぴぴんのレビュー・感想・評価

二重生活(2016年製作の映画)
3.7
視る・視られるの関係が交差しあって、でもそれだけでは密な人との関係は築けない。けれど、一度「視る」という関わりを持ってしまうために思わぬトラブルや誤解が発生してしまうこともある。

主人公のたまは自身のために人を観察し続けて、自分のもやもやを解こうとするけれど、自身も視られている、監視されているという意識が薄かった。
自分のことを気にする人なんていないっていう自尊感情の低さが私自身にあるので、途中まで完全にたまの目線で話を追っていたため、途中少し観ていてひやりとしたけれど、そういう意識の人多いんじゃないかなと思いました。ある意味今の都会的だと思います。地方の社会には視る=視られてるの構造が良くも悪くも残っているとこあるんじゃないかな。

個と個の関係構築や繋がりに普段着目しがちだけれど、周辺・第三者が社会で生きている限り必然としてそこにはあるんだよ、ということを改めさせられました。