はる

二重生活のはるのレビュー・感想・評価

二重生活(2016年製作の映画)
3.7
哲学を専攻する大学院修士課程2年の珠(門脇麦)が、修士論文のテーマを特定の1人を尾行して人間とは何か、にして近所に住む誰から見ても幸せそうな家族の主人石坂(長谷川博己)を尾行することにした。
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石坂の不倫現場を見てから尾行にどんどんのめり込んでいく珠にひやひやしてしまった。
同棲している彼氏の卓也(菅田将暉)が物語冒頭で珠の寝顔を愛おしそうに見ていたのに、中盤で無表情で見つめていたのが、これからの2人の関係が崩れていく兆候に見えて雲行きの怪しさに不安になってしまった。
尾行していることがバレて珠を叱る石坂に対して、確かに尾行していたことは悪いことだけど、もとは自分が不倫していたのが悪いのではないか?と思ってしまった。
バランスのとれた愛はこの世に1つも存在していなくて、その不均衡を「秘密」でもって保っている、と珠の論文の結論にどきっとした。石坂は不倫、教授(リリーフランキー)はお金で買った愛。 形は違えどみんな秘密を抱えながらそれを隠して生きてるんだなとこの映画の中だけかもしれないけれど、感心した。
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