歪み真珠

それでも僕は帰る シリア 若者たちが求め続けたふるさとの歪み真珠のレビュー・感想・評価

-
大学の一般向け勉強会にて観賞。
これに参加しようと思ったのには二つ理由があって、一つは無料で映画が見れるという邪な気持ちがあったから。もう一つはドキュメンタリーの観賞サンプルを増やして自分なりにドキュメンタリーの良し悪しを判断できるようになりたいという向上心(?)ゆえ。「ソニータ」を見たときに内容はとってもストーリー性があって面白いはずなのに観賞後一番の感想は「なんか面白くなかったな…なんでなんだろう…」となった。ここから私のドキュメンタリー映画をなるべくたくさん見てみよう運動がはじまるのである…

この映画を見終わって、みんなで討論したのとっても楽しかったな。また参加したい。議論はまとまらず、最終的には集団的自衛権の話にまで発展した。

私がああいう運動をこわいなと思うのは、勇ましいシュプレヒコールや音楽を大衆でやると、ある種の自己陶酔状態になってしまうからなんだよね。高校の体育祭や部活の応援なんかを思い出してみると理解してもらえると思うのだけど。そうやって自分を鼓舞したり、運動をもってして皆をまとめるのは悪いことじゃないんだけど。そこにちょっとした怖さを見いだしてしまう。そんな空間にあって、組織が暴走をしたときに私はちゃんと否と叫べるだろうか。自信がない、こわい。そうやってまあ、何にも表明しない自分はズルいなとも思うが。(表明しない他の人がズルいとは思わないけれど、私はこれを言い訳にしてる気がしないでもない)

教授が言った『システム』の話は面白かったなぁ。バイトでの不満やこれから社会に出て働くときに本当に変えなければいけないのは何かっていうのを冷静に考えるヒントになるだろう。以下、教授の『システム』の話です。↓
ここでね、若者たちが「軍に誇りはないのか。兵士に良心はないのか、市民に銃をむけて!」と歌ったり、兵士に訴えかけたりしてるけどこれはシステムがそうだからそんなこと言っても兵士は銃を向けざるをえないの。なぜなら上からの命令だから。軍部、あるいはそのもっと上部がそう指示するからそれに従ってるんだよね。だからお互いが死んでも上としてはそんなに関係ないんだよ。彼らの目的はとにかくあの暴動を制圧することだからね。