AB型の末っ子

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)のAB型の末っ子のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

'No mercy.
No peace.
This is war.'

「Kingdom of the Planet of the Apes」の予習の為に、「猿の惑星」シリーズ総鑑賞!

遂にリブート3部作も終結に…。
シーザーの長い旅も遂に終わりを迎える。

今作ではシーザーの葛藤が中心に描かれていく。
人間との共存か、憎しみに満ちた戦争か…。

今回人間側は兵隊のみで、筋金入りの猿嫌いしかいない。そのトップは冷酷なウディ・ハレルソン演じる大佐。でも、計算高い感じがただの暴君や悪党でない、頭の良さを醸し出してる。
しかも、人間側には反シーザー派のゴリラたちが部下にいて、猿同士でも団結しきれていない。

一方、シーザーは、人間たちに家を追われながらもコバが始めた戦争を終わらせようと努力している。そんな時、夢の楽園を見つけたかに思えたが、人間たちの魔の手はすでに迫っていて…。






⚠ネタバレ⚠






まずは、シーザー。
前回、めちゃくちゃフラグ立っていたけど何とか生き残ったシーザーの息子ブルーアイズとコーネリアス。名前的に、コーネリアスの方が死ぬ可能性高いと思っていたら、まさかの奥さん、ブルーアイズが人間たちに殺されてしまう…。

その復讐心から大佐のもとに単身乗り込もうとするわけだが、その目はまるでコバのよう。
シーザーは夢でコバにも「猿の運命はここで終わりだ、俺のところに来い」と言われてしまう。

一方、その復讐心に抵抗するのはシーザーがずっと掲げてきた人間との共存、という理想。
その象徴とも言える存在が少女ノヴァ。

かつて人を絶滅に追い込んだウイルスが変異して「喋る」ことを奪ってしまう。
人間たちは猿だけでなく、ウイルスとも戦わなければいけなくなる。
まさに「Ape-ocalypse Now !(猿の黙示録)」

大佐を追うシーザーたち、仲間の絆の強さにも心打たれる。特に、ロケット、モーリスが最高すぎる。また、新キャラのバッド・エイプも可愛くていいヤツ(ただ、名前は変えてあげてw)。
ノヴァに助けられてシーザーが自分を取り戻し、猿が団結し、人間のもとから脱出する、というのも良かった。

結局、人間は愚か故に自滅してしまう。
しかし、決して猿が愚かでないわけではなく、憎しみに囚われてしまえば、人間と同等である。

大佐の部下にいたゴリラと囚えられたシーザーとの会話が刺さる。

ドンキー'I save myself.'(俺は助かる)
シーザー'Is there anything left of you to save?'
(他にお前が助けられるものが残るか?)


そして砂漠を越え楽園にたどり着いた猿たち。
シーザーは、ようやく仲間たちを安全な家に導くことができたことに安堵し、仲間たちに囲まれて息を引き取る。

悲しくも美しい偉大なシーザーの最期でした。