久しぶりに再鑑賞。
スリランカの内戦を経て、偽りの家族としてフランスに渡ってきた主人公ディーパンたち。
言葉も文化も違う世界で、意外と器用で働き者なディーパン。しかし日常のすぐそばにある暴力や犯罪が逃れてきた地を思い出させる。上手くいきそうでいかないもどかしさに三人の心の傷の深さが垣間見える。
緊張感が高まっていく中で、終盤のカオスと本領発揮なシーンは圧巻だった。今度こそ守るために再び武器を手にしたディーパンが強い。
麻薬組織のリーダーであるブラヒムとヤリニとの交流が印象的だった。赤の他人で言葉があまり通じないからこそ気を許せる。その瞬間だけは不思議な穏やかさがあった。
しかし物騒さはさすがフランスの団地。夜中なのに花火は飛び交うし、祝砲！と空に向けて銃も乱射する。共同スペースの荒廃っぷりと治安の悪さがすごい。
公開当時はそこまで…という感想だったけど、久しぶりに観たら面白かった。フランスの団地ものにははずれがないというかやっぱり惹かれてしまう。
